相続税対策に最適!一時払終身保険で負担を減らす
生命保険の非課税枠を使って税負担を減らす方法
いま相続税対策を始めないと、将来数百万円単位で余計に税金を支払うことになるかもしれません。あなたは、家族のために十分な対策を考えていますか?
相続税は自分ごととして実感しにくく、何もしないままにしてしまう人も少なくありません。しかし、ちょっとした工夫や準備で、税負担を大きく減らせる可能性があります。
本記事では、相続税の基礎知識と、生命保険を活用した節税の考え方をわかりやすく解説します。
生命保険を活用して相続税を減らす
生命保険には、所得税や住民税だけでなく、相続税においても強力な節税効果があります。
これは、死亡保険金には「法定相続人の数 × 500万円」の非課税枠が認められているためです。つまり、被相続人が亡くなった際に受け取る保険金の一部は、相続税の計算上、課税対象から除外される仕組みになっています。これをうまく利用することで、遺族の税負担を大きく軽減できます。
相続税の課税対象者は増加傾向
近年、相続税を支払う人は増加しています。これは、相続税の計算に関わる制度や資産環境の変化が大きく影響しているためです。
基礎控除の縮小
平成25年の税制改正により、相続税の非課税枠(基礎控除)が大幅に縮小されました。以前は「5,000万円+法定相続人の数×1,000万円」でしたが、改正後は「3,000万円+法定相続人の数×600万円」となっています。
その結果、以前は非課税だった家庭でも課税対象となるケースが増え、より多くの家庭が相続税の申告・納税義務を負うことになりました。
株価・地価の上昇
資産価格の上昇も課税対象者増加の一因です。不動産や株式などの資産価値が上がると、遺産総額も増えます。
しかし、相続税の控除額や税率は改正後も大きく変わっていないため、資産総額が増えた分だけ課税対象額が増加し、結果として相続税を支払う家庭が増える傾向にあります。
相続税の計算方法
相続税は、取得した金額に応じて課税される累進課税制度です。取得金額が大きくなるほど、適用される税率も高くなります。また、各区分ごとに控除額が設定されており、実際の税額は「取得額×税率-控除額」で計算されます。
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | - |
| 1,000万円超~3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 3,000万円超~5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 5,000万円超~1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 1億円超~2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 2億円超~3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 3億円超~6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
生命保険の活用事例
死亡保険金には「法定相続人の数 × 500万円」の非課税枠があります。これを利用することで、相続財産にかかる課税対象額を減らすことができ、結果として相続税の負担を軽減できます。
計算例
- 法定相続人:2人
- 遺産総額:1億円
- 基礎控除:3,000万円 + 法定相続人2人 × 600万円 = 4,200万円
- 生命保険非課税枠:1人あたり500万円
この例では、法定相続人が2人、遺産総額が1億円のケースを想定しています。 非課税枠や生命保険の非課税枠を活用することで、課税対象額を減らすことが可能です。
生命保険を使わない場合
非課税枠:3,000万円 + 2人 × 600万円 = 4,200万円
課税対象額:1億円 – 4,200万円 = 5,800万円
税額:5,800万円 × 30% – 700万円 = 1,040万円
生命保険を使う場合
非課税枠:3,000万円 + 2人 × 600万円 = 4,200万円
生命保険の非課税枠:2人 × 500万円 = 1,000万円
課税対象額:1億円 – 4,200万円 – 1,000万円 = 4,800万円
税額:4,800万円 × 30% – 700万円 = 760万円
→節税効果:280万円
このように、生命保険を活用することで、相続税負担を大幅に減らすことが可能です。 以前の記事で保険商品から得られるリターンと、リスクがゼロとみなせる国債利回りとを比較し、保険商品のリターンが上回るときは保険に加入してもよいというお話をしました。通常、保険商品には様々な運営コストがかかるため、この条件を満たすケースはほとんどありません。しかし、相続税の非課税枠を活用できる本例のようなケースでは、節税効果を加味した実質的なリターンで見ると、国債利回りを大きく上回るケースもあります。
相続税対策には一時払終身保険がおすすめ
相続税対策を考える際に、一時払終身保険は有力な選択肢となります。その理由を、保険の仕組みを踏まえて解説します。
理由1: 国債と同水準のリターンを確保できる
一時払終身保険は、平準払(毎年一定額を払い込むタイプ)の商品と比べて予定利率(保険料を運用するときの前提利回り)が高めに設定されます。
なぜかというと、保険会社が負う「金利リスク」の性質が異なるからです。
- 金利下落リスク:契約時点で予定利率が固定されているため、国債金利が下がると当初予定していた運用利回りを確保できない可能性があります。
- 金利上昇リスク:金利が上昇すると、以前に低金利で購入した国債の価格は下落し、保険会社は含み損を抱えることとなります。この含み損は国債を満期まで保有し続ければ実現することはありません。しかし、契約者が途中で解約すれば国債を売却して解約返戻金を支払う必要があり、その時点で含み損が実現してしまいます。
一時払終身保険は、この点で有利です。保険料が契約時に一括で支払われるため、保険料の受領と同時に長期国債を購入しておけば、将来の金利下落により予定していた運用利回りが得られなくなるリスクがありません。
さらに、金利上昇のリスクについても、一時払終身保険の契約者は以下の特徴を持つため、解約リスク(=保険会社が途中で国債を売却する必要性)は小さいと考えられます。
- 契約者は高齢層が多く、ライフイベント(結婚・出産・住宅購入など)が少ない。
- 高齢ゆえに健康状態や判断能力の制約があり、他の商品への乗り換えが容易ではない。
- 加入目的が「相続税対策」と明確であり、途中解約しにくい。
そのため、一時払終身保険の利回りは、平準払の保険よりも国債利回りに近づきやすくなります。
理由2: 簡易な告知で加入できる
生命保険には「逆選択リスク」という課題があります。これは「死亡リスクが高い人ほど保険に加入したいと考える」という構造的なリスクです。
例えば、平準払の商品では、加入してすぐ死亡した場合、契約者は少額の保険料で多額の保険金を得られてしまいます。そのため、保険会社は厳格な健康告知や医的審査を行わざるを得ません。
一方で、一時払終身保険は、契約時点で保険期間全体の保険料を一括で払い込みます。そのため、加入直後に死亡しても「保険料と保険金のバランスが大きく崩れる」ことは少なく、逆選択リスクが小さいのです。
この構造的な違いにより、一時払終身保険は比較的簡易な告知で加入でき、健康状態に不安がある方でも契約できる場合があります。
まとめ
- 生命保険は、死亡保険金に「法定相続人×500万円」の非課税枠があるため、相続税の節税に有効。
- 一時払終身保険は、予定利率が平準払と比較して高く、健康状態に不安がある方でも加入できるのでおすすめ。
生命保険、特に一時払終身保険を活用することで、相続税負担を軽減しつつ安定した資産運用効果を得ることができます。
